いせはら環境ネットワークでは、8年程前から伊勢原市内を縦断する新高速道路建設によって、伊勢原市内の大気の悪化を心配するメンバーが中心となって、できるだけ汚染を軽減するために方法を探ってきました。
1昨年に引き続いて、本年3月に視察を実施しましたが、参加メンバーが限られていたこともあり、これまでの経過やその後に入手した資料などによって報告会を実施しました。

現状では、すでに「伊勢原ジャンクション」と「おおやまいせはらインター」が一部完成しており、車両が通行していますが、全体として工事は遅れ気味のようです。今後、小田原方面に延伸することになっており、工事が進められています。
インターチェンジやジャンクションの完成に伴って、市内各所に大型の物流センターも新規に立地してきています。小規模の運送事業者によると思われますが、市内のコンビニ駐車場などでの長時間のアイドリングが新たな問題として浮かび上がってきました。
会では、大気汚染の悪化の影響を低減するために、高速道路隣接の植樹地帯に“大気浄化能力の高い樹種を植樹”することを要望していました。
当初候補にあがっていた樹種の中で、実際には植栽されていないものもあることがわかりましたが、植栽された樹木(今後植栽される予定の樹木も含めて)の半数は大気浄化樹種になることが確認できました。特に分子レベルの目に見えない大きさの汚染物質と、PM2.5など目に見える大きさの汚染物質の両方に効果があるオオムラサキの植栽が実現している点は成果だと思います。
さて、「伊勢原の自然と環境の守る会」の長年にわたる調査結果によると、大気汚染の状況は、ジャンクション周辺(三間橋)で、基準値以下ではありますが、比較的高い数値を示しています。伊勢原市内の他の測定地点では近年のデータでは数値は落ち着いてきており、すべて基準値以下に収まっています。
気になった点は、植樹本数が当初の予定より5000本少なくなったこと。その原因は西富岡地域で地盤に強度を保つために土盛りした土にコンクリートを混ぜたので、植樹ができなくなった部分ができたこと。草は生えるようなのでツタ植物などを植える等の対策はできないかと思いました。また、植樹したものの枯れている樹木が散見されました。ぜひ補植が必要と思いました。