新高速道路建設の現場で視察研修、中日本(株)と意見交換

事務局から

いせはら環境市民ネットワークは平成28年度事業として、中日本高速道路株式会社東京支社厚木工事事務所の全面的な協力のもと、「新東名高速道路工事現場視察並びに事業者との懇談」を実施しました。高速道路建設に伴う環境への影響を正確に把握することが目的です。以下に概要を記します。

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平成29年3月18日(土)09:30〜11:00新東名伊勢原JCT(仮称)、伊勢原北IC工事現場視察。その後11:20~12:20伊勢原市民文化会館練習室1にて事業者と懇談。

〜記録より(事業者からの説明を中心に)〜

◯交通量予測
平成31年3月までに海老名南JCT〜伊勢原北IC、33年3月までに伊勢原北IC以西全線の開通を目指している。現東名の1日の交通量が約14万台、新東名が開通するとその1割、現東名と合わせて約1万4千台の増加が見込まれる。

◯騒音
周囲の状況に応じて遮音壁を設置する。路面が透水性舗装になるので、結果的に路面の空隙が走行音をある程度吸収する。これは現東名も同様。

◯光害
照明器具はJCTとICにしか設置しない。設置される照明器具には後部にシェードがあり、後背方向への光の影響を低減している。

◯景観
大山の麓を通る道路であるため、橋脚上のメタル橋の塗装を周囲の景観に馴染むよう深緑にしている。橋脚はコンクリートのままだが、コンクリートの角の部分を面取りして、景観に配慮している。

◯水質
道路排水を受けるマスが油水分離マスになっていて、万が一道路上で油が流出するようなことがあっても対処できるようなっている。マスを油が通過してもさらに調整池があるので、油が直接河川に流入するのを防ぐ手だてとなる。道路排水に含まれる重金属類には対応していない。

◯大気
新東名は高低差の少ない道路なので、アクセルを踏む時間も短くなる。その分、排気ガスは減少する。また盛土や高架下に可能な限り植栽して緑を増やす予定だが、大気浄化という発想はない。大気汚染に特化した対策はない。

◯ヒートアイランド現象
盛土や高架下に可能な限り植栽して緑を増やす予定だが、ヒートアイランド現象に特化した対策はない。

◯その他
道路の耐震性についてなども詳細な説明を受けました。

◯今後
減少する緑地の面積と再生する緑地の面積について後日、連絡いただけることになりました。また工事の進捗に伴って随時情報提供して頂く旨、植栽の樹種などについては要望があれば検討する旨お約束いただきました。

 

現東名の上にできている新設の道路。前方の山を崩して道路を建設する予定。

JCT本線等用地東側から

ふじやま公園裏手の斜面。法面は芝を吹付、土質によってはコンクリ打付け。

JCT土工部分(切り通し法面)地質によって法面の処理をコンクリートで被覆するか植物で被覆するか変えている

図面を見ながら、丁寧な説明を聞く。

中日本担当者からの説明

見学のための「お立ち台」から、正面は東海大学病院。この周辺も道路が建設される。

JCTランプ等用地

工事現場の中にある道祖神。この周辺にあった集落はすべて移転となった。

三間橋道祖神

北インターから、ジャンクション方面をのぞむ。正面の山が切り取られて道路が通る。

JCT本線用地等西側から

低地は埋め立て、高地は削られ、地形が変わる。林や田畑が失われていく。

IC盛土

向かいは産能大の校舎。巨大な橋脚の工事が進んでいる。

IC橋脚等